君を超えて

君は消えた。何も言わずに。
気がつけば空っぽの部屋、僕は一人部屋を満たす。

君は僕の酸素で、僕には君が必要だった。
君がいなくなって窒息しそうだよ。

ルージュの伝言も無い部屋で、僕は君を探し続ける。
僕の何が不満だったのか、いつまでも僕は探し続ける。

君と僕は恋に落ちた。二年半前の春だった。
君と僕は一時も離れたくなくて、君は僕の部屋を満たすようになった。

ゴミ出しにも手を繋ぎ、買い物にも手を繋ぎ。
二人はいつも仲良しで、いつも部屋を満たしていた。

君を探しに行くよ。どこまでも探しに行くよ。
幾千幾万の夜を越えて探しに行くよ。
あの頃の君を探しに行くよ。

君は消えた。何も残さず。
相変わらず空っぽの部屋。僕は一人途方に暮れる。

僕は君の酸素になれなかった。君に僕は必要無かった。
君は僕がいなくてもやっていけるんだね。

婚約指輪じゃ無いけれど、二人で買ったペアリング。
手がかりにも成りゃしない。でも僕は探し続ける。

君が消えて二ヶ月が経ち、風の噂を聞いたのさ。
君は新しい僕を見つけ、白い家を満たすようになったと。

新しい僕と手を繋ぎ、新しい僕と暮らすのさ。
二人はいつも仲良しで、ずっと家を満たすのさ。

僕は君を忘れるよ。二年半の思い出捨てて。
幾千幾万の悲しみを超えて忘れていくよ。
あの頃のリングを捨てていくよ。

ブックマーク パーマリンク.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。