君を超えて

君は消えた。何も言わずに。
気がつけば空っぽの部屋、僕は一人部屋を満たす。

君は僕の酸素で、僕には君が必要だった。
君がいなくなって窒息しそうだよ。

ルージュの伝言も無い部屋で、僕は君を探し続ける。
僕の何が不満だったのか、いつまでも僕は探し続ける。

君と僕は恋に落ちた。二年半前の春だった。
君と僕は一時も離れたくなくて、君は僕の部屋を満たすようになった。

ゴミ出しにも手を繋ぎ、買い物にも手を繋ぎ。
二人はいつも仲良しで、いつも部屋を満たしていた。

君を探しに行くよ。どこまでも探しに行くよ。
幾千幾万の夜を越えて探しに行くよ。
あの頃の君を探しに行くよ。

君は消えた。何も残さず。
相変わらず空っぽの部屋。僕は一人途方に暮れる。

僕は君の酸素になれなかった。君に僕は必要無かった。
君は僕がいなくてもやっていけるんだね。

婚約指輪じゃ無いけれど、二人で買ったペアリング。
手がかりにも成りゃしない。でも僕は探し続ける。

君が消えて二ヶ月が経ち、風の噂を聞いたのさ。
君は新しい僕を見つけ、白い家を満たすようになったと。

新しい僕と手を繋ぎ、新しい僕と暮らすのさ。
二人はいつも仲良しで、ずっと家を満たすのさ。

僕は君を忘れるよ。二年半の思い出捨てて。
幾千幾万の悲しみを超えて忘れていくよ。
あの頃のリングを捨てていくよ。

雨の日拝

鉛色の空から、銀の線が降りるとき
わたしは寝屋から太陽を幻視る

降り注ぐ銀の線をくぐり抜け
垂れ込める鉛の雲を突き抜け
山の向こうに

太陽が輝くとき
わたしは舟を幻視る

船には神
中央に一柱
舳先に一柱

神は目指す
夜の帳から
明るく輝く昼の世界を作る事を

まだ うつ

たまに、気分がすーーーっと落ちて「消えてしまいたい」という思考がふと浮かんできたりする。

まぁそう言う思考はしばらくすれば消え失せると分かっているので、何とか耐えるのだけども。

その時の「本心」を「偽物」と断じて「過去のレシピ」に沿った行動をするというのは、随分と矛盾してる気がするが。
そうじゃないと生きていけないので仕方がない。

こういう思考がたまに、本当にたまに浮かんでくる。
そうすると、「あぁ自分はまだ寛解してないのだなぁ。薬なくせないのだなぁ」と感じて苦笑いする。と同時に、ちょっとだけ安心したりする。
自分が病気だというのが嘘じゃないと分かるからだろうかなぁ。

まぁでも、随分とマシになったんだよな。
笑顔作れるようになったし、ダイエットのような継続的な意思を必要とする行動も出来るようになったし。
後は、毎日フルタイムで働けるようになったらばっちりなんだけど。

そうなんだよなぁ。笑顔作れた時には、反射的に脳の片隅で、笑えたことを喜んでいたりするんだよな。

まぁなんだ。まだ、うつなんだよなぁ。早く寛解しないかな。

朝のデグー

デグやん達がご機嫌にじゃれあって遊んでる

ぴゅーいぴゅーい、ぷいぷい、ぷるっぴゅ~い

朝の挨拶、ちゅっちゅっちゅ

ぴゅーいぴゅーい、ぷいぷい、ぷるっぴゅ~い

回し車で仲良く並走

ぴゅーいぴゅーい、ぷいぷい、ぷるっぴゅ~い

 

さすらう道に一人立ち

遥かな道を振り返る

来し方道も

いずれに至る遠き場所

我はここで良かったか

影法師は応えぬままに

一人立つ此処へ風が吹く

この先どこに行こうかな

来た道戻るも

進む道